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スマホやイヤホンが水没したときの「都市伝説」5選—本当に効果がある対処法とは?

日常生活の中で、うっかりスマートフォンやイヤホン、スマートウォッチを水没させてしまった経験はありませんか?雨の日にポケットの中で濡れてしまったり、洗濯機にうっかり入れてしまったり——そんな時、ネットや人づてで「この方法が効く!」という噂や裏ワザを聞いたことがあるはずです。ただし、こうした“都市伝説”の中には実際は効果がなかったり、逆にデバイスを傷めてしまうものも少なくありません。

今回は、テクノロジーと人間の生活に関する専門家によるThe Conversation掲載の『Debunking 5 myths about when your devices get wet』(2025年6月2日配信)を紹介します。この記事では、電子機器が水に濡れてしまった時にありがちな5つの誤解と、本当にすべき対応について、最新の研究や消費者保護の観点から解説されています。スマートフォンウェアラブル端末が私たちの生活インフラの一部となったいま、間違った対処で高額な修理費やデータ消失に繋がるリスクを避けるため、“都市伝説”に惑わされず正しい知識を得ておきましょう。

よくある「水没神話」5つとその真実

1. 「電源がつけば大丈夫」は本当?

濡れた後に普通に起動できても油断は禁物。内部では金属部品の腐食(コロージョン)が静かに進行しており、数日〜数か月後に不具合が発生することがあります。特に湿度が高い環境ではダメージが蓄積されやすいので要注意です。

【補足】コロージョンとは?

腐食(コロージョン)は、水分や汗による化学反応で電子回路や端子が損傷する現象。特にスマホの基板など細かい部分ほど進行しやすく、一度進むと修理は困難になります。

2. 「防水」と書いてあれば何でもOK?

"Waterproof"(完全防水)は広告でも慎重に使われる言葉です。アメリ連邦取引委員会(FTC)は「防水腕時計」の広告表現を規制し、メーカーに罰則を科した例もあります。“防水”の程度は「IP(Ingress Protection)等級」や、時計の場合MIL規格・ISO規格などで示されますが、試験条件(圧力・水の種類・温度など)をよく確認する必要があります。

【事例】サムスン豪州の広告違反

2019年、サムスンオーストラリアが「スマホはプールや海でもOK」と誇張広告をし、約14億円の罰金が科されました(記事内で紹介)。

3. IP表示があれば現実のあらゆる水にOK?

メーカーがアピールする高いIP等級(例:IP68)は、真水(フレッシュウォーター)での試験結果。お風呂の湯やジュース、石けん水、塩水などは想定外です。「IP68スマホを風呂に沈めて大丈夫」というのは誤りです。

【用語解説】IP等級とは

IPコードは「防塵・防水の等級」を番号で表し、例として“IP68”は「完全防塵&水深1.5mで30分耐える」とされています。ただし液体の種類や衝撃、温度などは規格外となります。

4. 「困ったときは米の中へ」は効果的か?

ネットで有名な「生米の中にスマホを入れて乾かす」方法ですが、検証ではほぼ効果がないことが判明。むしろ米粒や粉が内部に入って新たな故障を招く危険性が有ります。

【正しい応急処置】

  • すぐに電源を切る
  • 可能ならバッテリーやSIMカードを外す
  • プラグや端子も外し、1〜2日しっかり乾燥させる
  • できれば専門店でチェックを

5. 「保証があるから安心!」は本当か?

通常のメーカー保証(1年保証など)では水没はカバーされません。「ADH(事故による破損補償)」などのオプションも、回数や範囲に制限がかかることが多いので、内容の確認が必須です。

【日本の実例】

大手キャリアやAppleの追加保証でも、「水濡れは最大2回まで」など制限と自己負担額が細かく設定されています。

水回りの時代とメーカーの責任

増える「水回り」デバイス

ノートPCやタブレット、スマートウォッチなど生活空間で水や湿気にさらされる電子機器が急増しています。一方で、メーカーによる誇張広告や複雑な保証の中、消費者の判断は難しくなっています。

変化する利用者への配慮

水回り利用が当たり前だからこそ、単なる“故障=自己責任”から脱却し、公平な修理制度(Right to Repair)、分かりやすい保証、公正な広告が必要。今後は「メーカーによる過度な防水アピールの抑制」「生活者目線での説明書」「水没後のデータ復旧サービス拡充」などが議論の焦点となるでしょう。

結論:スマホ水没の“都市伝説”を再確認

  • 「電源が入る=安全」は誤り。内部ダメージに注意
  • 「防水」や「IP等級」の条件や限界を理解しよう
  • 米に入れるのはNG、専門的な乾燥・点検が大切
  • 保証内容をしっかり確認、水没は対象外が多い
  • メーカーと利用者のフェアな関係、新しい保証制度づくりも課題

私たちは誰もが“うっかり”水没リスクと隣り合わせ。正しい情報を持ち、広告やネットの噂を鵜呑みにせず、安心できるデジタルライフを送りましょう。