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息をのむ天の川!6月、故郷の銀河中心部が輝く夜空へ – 観測ガイド&絶景スポット

私たちの住む美しい銀河、天の川。その「銀河の中心」部分が、いよいよ最もよく見える時期を迎えます。夜空に広がる淡い光の帯は、日本の夏を象徴する「天の川」として、七夕伝説などにも深く結びついていますよね。そんな私たちの故郷とも言える天の川銀河の、より神秘的な姿を今年の夏にぜひ見てみませんか?

今回は、その見頃と見つけ方について、こちらの記事を参考に詳しくご紹介します。 The best time to see the Milky Way is fast approaching! How to see our galaxy at its best in June. - Live Science

天の川銀河の中心部を見るベストシーズン到来!

夜空に広がる天の川銀河は、私たちが住む太陽系が含まれる巨大な銀河のこと。空が暗く澄んだ場所に行けば、肉眼でもその淡い光の帯を見ることができます。特に、6月は天の川銀河の最も明るい部分である「銀河中心(Galactic Center)」が見え始める絶好の時期なのだそうです。

この銀河中心は、太陽系からおよそ2万6千光年も離れた場所に位置し、夜空では「いて座(Sagittarius)」や「さそり座(Scorpius)」の近くに見えます。NASAのプレストン・ダイチズ氏が月刊の動画ブログ「ワッツアップ」で語っているように、「一年でこの時期こそ、天の川が夜通し空に弧を描く淡い光の帯として見え、私たちの銀河の明るい中心核を真横から見ている」状態なのです。

天の川銀河を見つけるコツ:目印は「夏の大三角

天の川銀河の中心部を見つけるのは、実はそんなに難しくありません。夜になって東の空を見上げると、三つの明るい星が昇ってくるのがわかります。これらは、こと座の「ベガ(Vega)」、はくちょう座の「デネブ(Deneb)」、そしてわし座の「アルタイル(Altair)」です。これら三つの星が結ぶ大きな三角形は「夏の大三角(Summer Triangle)」として知られており、星座ではなく「アステリズム(Asterism)」と呼ばれる星の並びです。

北半球から見ると、天の川の薄い部分は夏の大三角、特にデネブからアルタイルの間を通って流れているように見えます。この流れを東から南へと斜めにたどっていくと、南の地平線近くに天の川の明るい中心核が見えてくるでしょう。

光害と短い夜が課題:天の川観測のベスト条件

天の川銀河をより鮮明に、そして中心部までしっかり見るためには、いくつかの条件が重要です。

  • 光害(Light pollution)を避ける: まず何よりも大切なのが、人工の明かりが少ない場所を選ぶことです。「光害」とは、街の明かりや車のヘッドライトなど、人工の光が多すぎることによって星空が見えにくくなる現象です。都市部から離れた、山奥や離島など、周りに明かりが少ない場所を選びましょう。
  • 天文学的夜間(Astronomical darkness)」が長い場所を選ぶ: 6月20日から21日頃の夏至(Solstice)は、北半球では一年で最も昼が長く、夜が短い時期です。特に北緯49度より北では、薄明(たそがれ時)が続き、本格的な暗闇である「天文学的夜間(太陽が地平線から18度以上沈んだ状態)」が訪れません。これは、空が完全な暗闇にならないため、星を見るのには不利な条件となります。
    • 日本はほとんどの地域が北緯30度〜45度の範囲にあるため、夏至前後でも天文学的夜間は訪れますが、やはり夜の時間は短く、観測できる時間は限られます。
    • 赤道に近い場所や、南半球(Southern Hemisphere)では、6月は夜が最も長くなるため、天の川の観測にはより理想的な条件となります。

記事によると、天の川は7月、8月、9月にかけて、より明るく、空の高い位置に見えるようになるとのこと。この時期には夜も少しずつ長くなるため、本格的な夏の夜空で天の川を楽しむのに最適な時期と言えるでしょう。

日本からの天の川観測と、さらなる楽しみ方

日本は北半球に位置するため、基本的には記事で紹介されている方法で天の川銀河を見ることができます。しかし、大都市圏では光害がひどく、肉眼で天の川を見るのは至難の業です。

日本で天の川を見るなら

  • アクセスしやすい場所: 長野県の阿智村岡山県美星町など、光害対策に力を入れている地域は「星空の聖地」として知られ、観光地としても人気です。
  • 秘境や離島: 北海道の道東、沖縄県八重山諸島西表島石垣島など)、小笠原諸島などは、日本でも特に光害が少なく、見事な星空が広がることで有名です。
  • 国立公園・国定公園: 山岳地帯の国立公園内など、開発が規制されている場所も光害が少なく、天の川を見やすいポイントが多いです。

天体写真に挑戦してみよう

肉眼で見るだけでも感動的ですが、カメラを使うとさらに鮮明な天の川の姿を捉えることができます。最近では、最新のスマートフォンでも「天体写真(Astrophotography)」が撮れる高性能なカメラが搭載されているものも増えています。良い写真を撮るためには、「三脚(Tripod)」が必須です。シャッターを10〜25秒ほど開けておく「長時間露光」という撮影方法を使うため、カメラがぶれないように固定する必要があるからです。

また、記事には今月、火星(Mars)と水星(Mercury)が月(Moon)に「キスする」ような美しい会合(Conjunctions)が見られるという関連情報も書かれていました。天の川だけでなく、こうした珍しい天文現象も同時に楽しめるかもしれませんね。

私たちの故郷、天の川銀河を大切に

天の川銀河は、私たち人類が住む太陽系を抱える巨大な星の集まりです。しかし、現代の都市化が進むにつれて「星が見える夜空」はどんどん失われつつあります。光害は単に星が見えなくなるだけでなく、生態系や人の健康にも影響を与える問題として、世界中で認識され始めています。

この夏、天の川銀河の壮大な姿を見る機会に恵まれたなら、それは本当に貴重な体験となるでしょう。都会の喧騒を離れ、星空の下で静かに宇宙の広大さに思いを馳せる時間は、きっと日々のストレスを忘れさせてくれます。

日本でも、一部の地域では「ダークスカイ・パーク(星空保護区)」の認定を目指す動きや、光害対策に取り組む自治体が増えています。私たちの世代だけでなく、未来の子供たちも、この美しい天の川銀河を肉眼で楽しめるように、光害について考え、星空を守る活動に目を向けることも重要ではないでしょうか。

まとめ:この夏は天の川銀河の輝きを体験しよう

この夏、特に6月以降は、私たちの故郷である天の川銀河の「銀河中心」を観測する絶好のチャンスです。

  • 時期: 6月から9月が最も見やすい時期。
  • 場所: 都会の光害を避け、可能な限り暗い場所を選ぶ。
  • 時間: 月明かりの影響が少ない、新月前後の深夜から未明がベスト。
  • 方向: 南の空、いて座・さそり座のあたり。夏の大三角を目印に探す。
  • 装備: 防寒着(夏でも山間部は冷えます)、懐中電灯(足元用、赤色光が理想)、そして可能であれば三脚付きのカメラやスマートフォン

天の川銀河雄大な姿は、きっと私たちの心を揺さぶり、宇宙への好奇心を掻き立ててくれるはずです。今年の夏は、ぜひ家族や友人と一緒に、満天の星空の下、天の川銀河の輝きを体験しに行ってみませんか?それは、忘れられない夏の思い出となることでしょう。