ワカリタイムズ

🌍 海外ニュースを「わかりやすく」

PS5 Pro向け「FSR 4」2026年登場か?ソニーとAMDの協業が次世代GPUに影響も

海外メディアWccftechが報じた「PS5 Pro向けFSR 4は2026年登場、ソニーとの協業でRDNA 5開発にも影響」というニュースが、ゲーム業界に大きな注目を集めています。

この報道によると、2024年後半に発売されたPlayStation 5 Pro(PS5 Pro)に、AMDの最新技術「AMD FSR 4」が2026年から開発者向けに提供されるとのこと。これは単なる技術の導入ではなく、ソニーAMDの共同開発プロジェクトの成果であり、AMDの次世代GPUアーキテクチャ「RDNA 5」の開発にまで影響を与えるほど深いパートナーシップの証だといいます。

この記事では、このニュースの核心に迫り、最新技術が私たちのゲーム体験をどう変えるのか、そして両社の協業が示す未来について詳しく解説します。

PS5 Proの映像を革新する「AMD FSR 4」とは?

今回のニュースの主役である「AMD FSR 4」を理解するために、まずはその基本となる技術から見ていきましょう。

ゲームを高画質・高フレームレート化する「アップスケーリング」

アップスケーリング」とは、ゲームの映像をより美しく、滑らかに表示するための技術です。ゲーム機がネイティブの4K解像度で映像を処理するのは非常に負荷が高いため、まず少し低い解像度で映像を生成し、それをAIなどの力で賢く引き伸ばして高解像度に見せる仕組みです。例えるなら、低画質の写真をAIで瞬時に高画質化するようなもの、と考えると分かりやすいかもしれません。

この技術により、ゲーム機の負担が軽くなるため、より安定したフレームレート(映像の滑らかさ)を維持したり、さらにリッチなグラフィック表現を盛り込んだりすることが可能になります。

PS5 ProのPSSRが「FSR 4」でさらに進化

PS5 Proには、すでにソニー独自のAIベース超解像技術「PlayStation Spectral Super Resolution(PSSR)」が搭載されています。今回明らかになったのは、このPSSRが、2026年に提供される「AMD FSR 4」によって大幅にアップグレードされるという点です。

FSR 4の最大の特徴は、AMDのアップスケーリング技術として初めて本格的に「機械学習」を導入したことです。これにより、従来よりもさらに自然で高精細な映像表現が期待できます。PS5 ProにはPC版と同等の「完全版」が実装されるとのことで、既存のゲームも今後のアップデートで、より美しい映像で楽しめるようになるかもしれません。

ソニーAMDの蜜月が生んだ「Project Amethyst」

この強力な技術アップグレードの背景にあるのが、ソニーAMDの共同開発プロジェクト「Project Amethyst」です。これは、単にAMDが開発した技術をソニーが採用するのではなく、両社が一体となって次世代のグラフィックス技術を開発していることを意味します。

PlayStationのリードシステムアーキテクトであるマーク・サーニー氏は、この協力関係が業界全体の進歩を目指すものであり、非常に長期的で深いものであると語っています。

特に驚くべきは、このProject Amethystでの共同開発が、AMDの将来のグラフィックチップの設計、すなわち次世代GPUアーキテクチャRDNA 5」の開発にまで大きな影響を与えているという点です。これは、PlayStationのために開発された最先端の技術が、PCなどを含む未来のGPUの土台の一部になることを示唆しており、両社のパートナーシップがかつてないほど強固であることを物語っています。

この協力関係は、AMDマイクロソフトと携帯ゲーム機「ASUS ROG Xbox Ally」などのデバイス向けに進めているパートナーシップとは異なり、AIを活用したコア技術の進化に特化している点が特徴的です。

私たちのゲーム体験はどう変わるのか?

では、PS5 ProにAMD FSR 4が搭載されることで、私たちのゲームプレイは具体的にどのように変わるのでしょうか。

この技術革新の恩恵は、あらゆるジャンルのゲームに及びますが、特に以下のようなゲームでその真価を発揮するでしょう。

  • グラフィック重視のオープンワールドゲーム 広大な世界の遠景までが精細に描かれ、キャラクターの表情や質感も豊かになり、世界への没入感が格段に向上します。

  • スピード感あふれるアクションゲームや対戦ゲーム 映像がより滑らかになることで、敵の動きを捉えやすくなり、プレイヤーの反応速度や操作性の向上に繋がります。一瞬の判断が勝敗を分ける場面で、大きなアドバンテージとなるかもしれません。

  • 情報量の多いシミュレーションゲーム 多くのユニットや複雑なマップを表示する際も、解像感の向上によって状況把握が容易になり、より戦略的なプレイをサポートします。

2026年から開発者にこの技術が提供されるため、それ以降に発売される新作タイトルや、既存タイトルのアップデートで、この進化した映像体験が提供されることになります。

AIとの共同開発が拓く、次世代ゲームの未来

今回の発表は、PS5 Proという一つのゲーム機における性能向上に留まりません。それは、ソニーAMDという業界の巨人が手を組み、ハードウェアとソフトウェアの垣根を越えて、未来のゲーム体験そのものを「共創」しているという事実を示しています。

ゲーム開発の最前線で生まれるニーズが、次世代GPU「RDNA 5」の設計に直接フィードバックされるというこのサイクルは、今後の技術革新を間違いなく加速させるでしょう。私たちが注目すべきは、この共同開発がどれほどのスピードで、新しい驚きを私たちの手元に届けてくれるのか、その「進化の速さ」です。

PS5 Proユーザーはもちろん、すべてのゲームファンにとって、AI技術が織りなす、より美しく、より快適なゲームの未来はすぐそこまで来ています。2026年以降に登場するであろう、新たな表現力を手に入れたゲームたちに、今から期待が膨らみますね。