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PS6は2028年か?ソニーのAIグラフィック技術が描くゲームの未来

ゲーム機の未来について、期待が高まるニュースが入ってきました。PlayStationの開発を主導するマーク・サーニー氏が、将来のゲーム機に搭載される新しいグラフィック技術について語ったのです。この発言は海外メディアIGNの「ソニーの技術者が将来のコンソール向け新グラフィック機能を予告、PS6発売の憶測を呼ぶ」という記事でも大きく報じられ、次世代機「PS6」への期待を一気に高めています。

この記事では、この新しい技術が私たちのゲーム体験をどう変えるのか、そして気になるPS6の登場時期について深掘りしていきます。

AIが映像美を革新する「Project Amethyst」

PlayStationの未来を形作る最先端のグラフィック技術について、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)で開発を主導するマーク・サーニー氏が、公式のPlayStation YouTubeチャンネルでその一端を明かしました。特に注目されるのが、SIEと半導体メーカーAMDが共同で進める「Project Amethyst」という開発プロジェクトです。

AIがゲーム映像をどう変えるか

サーニー氏によると、このプロジェクトではAI(機械学習)を活用し、映像を描き出す「レンダリング」と、映像をより高精細にする「アップスケーリング」という2つの技術開発が進められています。これらは、ゲームの映像美を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。

従来の技術では、リアルな光や物体の表現に膨大な計算が必要でした。しかしAIを導入することで、処理をより効率的かつ高精度に行えるようになります。例えば、AIが映像の細部を学習し、より滑らかで自然なディテールを描き出すことが期待されます。また、アップスケーリング技術は、ゲームのパフォーマンスを損なうことなく、驚くほど美しい映像を実現する鍵となります。

これらの技術はまだシミュレーション段階ですが、結果は非常に有望とのこと。サーニー氏は、この革新的な技術を「数年後」に登場するであろう将来のゲーム機に搭載できることに、大きな期待を寄せています。

この技術革新は、私たちがこれまで体験したことのないレベルのリアルさと美しさでゲームの世界を表現し、プレイヤーの没入感をかつてないほど深めることになるでしょう。

PS6は2028年登場?憶測を呼ぶ「数年後」の一言

サーニー氏が語った「数年後」という言葉が、ファンの間で次世代機「PS6」の登場時期を示唆するものとして大きな話題を呼んでいます。過去のPlayStationシリーズの発売サイクル(約7年ごと)を踏まえると、2020年11月に発売されたPS5に続き、PS6が2028年頃に登場するという見方が有力視されています。

PS4は2013年11月に発売されましたが、PS5の開発はその直後から始まっていたと言われています。この前例から考えると、PS6の開発もすでに5年以上前から水面下で進んでいる可能性は十分にあります。

次世代機は必要か?クラウドゲーミングとの共存

一方で、ゲームをインターネット経由で遊ぶクラウドゲーミングが普及する中、「高性能なゲーム機は今後も必要なのか?」という議論もあります。この点について、SIEの西野秀明CEOは興味深い見解を示しています。

西野CEOは、SIEが11年以上にわたりクラウドゲーミングサービスを提供してきた歴史に触れ、PlayStation Plus プレミアムのサービスやPlayStation Portalでの技術テストなど、その進歩を強調しました。しかし、ネットワークの安定性など、SIEがコントロールできない課題があることも認めています。

そして、クラウドゲーミングはあくまで選択肢の一つであり、「多くのプレイヤーは通信環境に左右されず、手元のゲーム機で安定して遊ぶ体験を求めている」と述べ、高性能なゲーム機の重要性を強調しました。PS5やPS5 Proの成功が、その考えを裏付けていると言えるでしょう。

携帯ゲーム機の新時代?PlayStation Portalの次なる一手

PlayStationのゲーム体験は、家庭用ゲーム機だけにとどまりません。2023年11月に発売されたPlayStation Portalは、Wi-Fi環境さえあればどこでもPS5のゲームをリモートプレイできる、新しいスタイルを提案しました。

PlayStation Portalはリモート専用機ですが、将来的にはゲームを単体で動かせる、より本格的な携帯型PlayStationが登場する可能性も噂されています。ソファでくつろぎながら、あるいは外出先で、手軽に大作ゲームが楽しめるようになれば、私たちのゲームとの付き合い方は大きく変わるかもしれません。

競合のマイクロソフトXboxブランドの携帯型デバイス市場に注目しており、ASUSが開発に関わるとされる「Project Kennan」のような計画も噂されています。携帯ゲーム機市場は、再び活気づくかもしれません。

AIが拓くゲームの未来:プレイヤーが「遊び方」を選ぶ時代へ

マーク・サーニー氏が語ったAIによるグラフィック革命、クラウドとローカル実行の共存、そして携帯型デバイスの広がり。これらのピースが組み合わさることで、次世代のゲーム体験は、これまでにないほど豊かで多様なものへと進化していくでしょう。

注目すべきは、AI技術がもたらす変化が、単なる映像美の向上にとどまらない可能性です。今回語られた映像技術への応用はもちろん、将来的にはAIがゲーム内のキャラクターの行動や世界の反応をよりリアルに生成するためにも活用されるでしょう。それは、まるで生きているかのような世界で、予測不能な物語を自分で紡いでいくような、新しいレベルの没入体験を生み出すかもしれません。

最高の体験を求めるなら高性能なゲーム機、手軽さを求めるならクラウドや携帯デバイスと、プレイヤーが自分のスタイルに合わせて「遊び方」を選べる時代が本格的に到来します。ゲームの未来は、特定のハードウェアに縛られるのではなく、私たちの生活の中にシームレスに溶け込んでいくのかもしれません。