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ロシア、宇宙ステーションに人工重力発生技術!日本への影響は?

宇宙での長期滞在は人類にとって大きな夢ですが、重力がない環境は人体に深刻な影響を及ぼします。微小重力と呼ばれるこの環境に長く身を置くと、筋力の低下や骨密度の減少といった健康上の課題が避けられません。こうした問題を解決すべく、ロシアの専門家チームが革新的な技術を提案しました。

ロシアのロケット開発チームが今回、人工的に重力を発生させる宇宙ステーションの設計に関する特許を取得しました。この技術は、将来の宇宙ミッションにおいて人間が健康を維持するための鍵を握ると期待されています。詳細は「ロシア、人工重力を発生させる宇宙ステーションの特許を取得」でも報じられています。

回転による遠心力で重力を再現する仕組み

宇宙空間で人体を守るために注目されているのが、人工的に重力環境を作り出す人工重力です。ロシアの提案では、宇宙ステーションを一定の速度で回転させることで生じる遠心力を利用します。これは遊園地の回転遊具で、体が外側に押しつけられるような感覚を利用した仕組みです。

具体的には、半径約40メートルの居住エリアを1分間に5回転させることで、地球の半分に相当する0.5gの重力を再現することを目指しています。足に地面の感覚を得られる環境を作ることで、宇宙飛行士の筋萎縮や骨の弱体化を大幅に軽減できる可能性があります。

居住モジュールの構造と運用の課題

この宇宙ステーションは、中心軸から放射状に複数の居住モジュールが配置された独創的な構造をしています。各モジュールが中心軸の周りを回ることで内部に重力を発生させますが、これを実現するには大規模な宇宙空間での組み立て作業が必要です。

運用面でも高度な制御が求められます。ステーション全体が常に回転しているため、物資を運ぶ輸送船はその動きに精密に同期してドッキングしなければなりません。安全な運用のためには、これまでにない高度な自動制御システムの確立が不可欠となるでしょう。

ISS退役を見据えた国際的な開発競争

人工重力への取り組みは世界中で加速しています。2030年に予定されている国際宇宙ステーションISS)の退役を見据え、新たな拠点をめぐる競争が始まっているのです。

NASAも、回転によって人工重力を得る宇宙ステーションの構想「Nautilus-X」を提案しています。また、民間企業による人工重力ステーションの開発も進められており、国や組織の枠を超えた取り組みが続いています。宇宙滞在が人体に及ぼす影響については、専門メディアによる「宇宙滞在による骨への影響」といった報告でもその重要性が指摘されています。

宇宙移住を実現する基盤技術への期待

人工重力技術は、宇宙飛行士の健康維持にとどまらず、人類が宇宙を日常的に利用する未来を切り開く可能性を秘めています。重力のある環境が整えば身体への負担が減り、火星探査などの超長期ミッションもより現実的なものとなるでしょう。

人工重力は、人類が宇宙に住むための不可欠な基盤技術であり、その実用化に向けた歩みは着実に進んでいます。将来的には、微小重力と人工重力を自在に組み合わせることで、宇宙空間における科学的研究の可能性がさらに広がることが期待されます。