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『MOTHER』がSFCで蘇る!ファンが10年かけた幻のリメイク、完成間近

ゲーム好きの皆さん、こんにちは!今日は、長年のファンが待ち望んでいた、あの懐かしいゲームのリメイクプロジェクトについてのエキサイティングなニュースをお届けします。

1989年にファミリーコンピュータで発売された初代『MOTHER』(海外では『EarthBound Beginnings』)を、スーパーファミコンの『EarthBound』(『MOTHER2』の海外版)のグラフィックとシステムで再現する。そんな夢のようなファンプロジェクトが、なんと10年以上の歳月を経て、ついに完成間近であることが明らかになりました。

このプロジェクトは、ゲームのデータを改造して新たなコンテンツを作る「ROMハック」という手法で開発されており、先日公開された最新トレーラーが世界中のファンを沸かせています。海外メディアTime Extensionもこの動きを報じており、本記事ではその「This EarthBound SNES ROM Hack Is A Remake Of The Original 'Mother' Over 10 Years In The Making」を基に、プロジェクトの現在地と、開発者たちの情熱が紡いできた感動的な道のりをご紹介します。

ついに完成へ!10年越しの『MOTHER』リメイクプロジェクト

長年『MOTHER』シリーズを愛してきたファンにとって、まさに待望のニュースが飛び込んできました。ファンメイドのプロジェクト「EarthBound Beginnings Remake」が、10年以上の開発期間を経て、いよいよ完成に近づいています。

この大きな進展は、先日開催されたファンゲームの祭典「Free Fangame Festival (F3)」で公開された最新トレーラーによって明らかになりました。映像からはプロジェクトが最終段階にあることがうかがえ、現在の開発ペースを考えると、2026年のリリースも期待できると見られています。

10年以上にわたってこのリメイクを心待ちにしてきたファンにとって、夢の実現はもうすぐそこです。

波乱万丈の開発史:ファンが繋いだ復活の物語

この「EarthBound Beginnings Remake」は、単なるゲーム改造にとどまらない、幾多の困難を乗り越えてきた感動的な物語を持っています。

プロジェクトの起源は2007年にまでさかのぼります。当初は「EarthBound Zero」という名で、『MOTHER』シリーズの著名なファンサイト「Starmen.Net」の共同創設者でもあるクライド・マンデリン氏(通称Tomato)が開発を始めました。これが後のプロジェクトの礎(いしずえ)となります。

2012年、プロジェクトは同サイトのユーザーであるH.S.氏に引き継がれ、7年間にわたって着実に進められていました。しかし2019年、H.S.氏が消息を絶つという突然の事態が発生。開発は完全に中断し、プロジェクトの未来は不透明になりました。

この危機に立ち上がったのが、Livvy94氏をはじめとする有志のファンたちでした。彼らは残された未完成のデータを救出し、開発者向けのプラットフォームであるGitHubで共有。プロジェクトの灯火(ともしび)を繋ぎました。そして2021年、新たに開発を引き継いだGabbls氏によってプロジェクトは再始動。2024年の「Mother Direct」で初のフルトレーラーが公開されるなど、再び大きく前進し始めたのです。

日本のファンにも響く、海を越えたコミュニティの熱意

海外で進むこのリメイクプロジェクトは、日本の『MOTHER』ファンにとっても大きな関心事です。日本におけるシリーズの人気は根強く、一つの文化として多くの人々に愛されています。

海外ファンの手によるリメイクが完成し、スーパーファミコン版『MOTHER2』の品質で初代『MOTHER』の世界を体験できるとなれば、日本のファンに大きな感動を呼ぶことは間違いないでしょう。完成した際には、国境を越えてプレイ体験が共有され、ファン同士の絆がさらに深まることが期待されます。

このような活動は、日本で古くから存在する、ファンがゲームに独自の要素を加えて楽しむ「MOD文化」にも通じるものがあります。そのため、このプロジェクトは日本のファンコミュニティが持つ情熱や創造性を象徴する事例として、多くの共感を呼ぶ可能性を秘めています。海を越えたファンたちの熱意は、日本のファンが自らの『MOTHER』への愛を再確認する素晴らしいきっかけとなるはずです。

ファンの「愛」が紡ぐ、もう一つの『MOTHER』

今回のリメイクプロジェクトは、単に「懐かしいゲームが現代風に遊べる」以上の深い意味を持っています。それは、利益を目的としない、純粋な「愛」を原動力とした創作活動がいかに力強く、感動的であるかという証明です。

開発者の失踪、有志によるデータの救出、そして新たな担い手による再始動というドラマチックな道のりは、まるで『MOTHER』本編に通じるような、出会いと別れ、そして希望の物語そのものです。

もちろん、ファンメイド作品は著作権などデリケートな問題を常に内包しています。しかし、このプロジェクトが示したのは、原作への深い敬意に基づいたファンカルチャーが、作品の命を未来へ繋ぎ、新たな価値を生み出す可能性です。これは公式・非公式という垣根を越え、作品を愛するすべての人々にとって大きな希望と言えるでしょう。

この10年以上にわたる物語が教えてくれる最も大切なこと。それは、「好き」という純粋な情熱が人々を繋ぎ、困難を乗り越える力になるという事実です。『MOTHER』シリーズが持つ「優しさ」と「諦めない心」が、このファンプロジェクトを通して、私たちに改めて届けられたように感じます。