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はやぶさ2×JWSTが新説!リュウグウとベンヌ「兄弟小惑星」だった?

日本の探査機「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星リュウグウのサンプルと、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測から、太陽系の過去に関する驚きの可能性が浮上しています。NASAの探査機「オシリス・レックス」が2023年9月にサンプルを持ち帰った小惑星ベンヌと、日本の「はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウ。地球近傍に位置し、「潜在的に危険な小惑星」にも分類されるこれら二つの天体が、かつては一つの巨大な親小惑星から生まれた「兄弟」だったかもしれないというのです。この可能性について、最新の研究が示唆しています。

この発見は、太陽系の成り立ちや、小惑星がどのように地球の近くまでやって来るのかを理解する上で重要な手がかりとなります。本記事では、「James Webb telescope reveals that asteroids Bennu and Ryugu may be parts of the same gigantic space rock - Live Science」の報道を基に、その詳細と科学的な意義をわかりやすく解説します。

巨大な親の姿を追う:3つの天体の比較研究

この仮説を科学的に裏付けているのは、サウスウェスト研究所のアニシア・アレドンド氏が主導し、「Planetary Science Journal」誌に発表された最新の研究です。研究チームは、光を解析することで物質の組成や状態を特定する分光データを駆使し、小惑星たちのルーツを探りました。

具体的には、以下の3つの天体から得られたデータを比較分析しています。

その結果、これら3つの天体すべてに共通して、以下の成分が豊富に含まれていることが判明しました。

  • 炭素: 生命に不可欠な有機物の材料となる元素です。
  • マグネタイト: 「磁鉄鉱」とも呼ばれる、磁性を帯びた鉄の酸化物です。

3つの天体の成分が酷似していることは、これらが同じ親小惑星の破片であることを強く示唆します。中でも直径約55キロメートルのポラナは、親小惑星の衝突後に残った最大の破片と考えられており、ベンヌリュウグウはこの衝突によって誕生したとみられています。

残された謎:わずかな成分の違いが示すもの

しかし、3つの天体が同一の親を持つと断定するには、まだ課題も残されています。ポラナのデータとベンヌリュウグウのサンプルとを詳細に比較すると、炭素やマグネタイトといった主要成分の濃度にわずかな差が確認されました。このようなわずかな差があるため、両者が同一の親を持つと明確に結論づけるにはさらなる研究が必要とされています。

この違いについて、研究の共著者であるサウスウェスト研究所のトレイシー・ベッカー氏は、それぞれの小惑星がたどってきた宇宙の旅に原因がある可能性を指摘しています。ベンヌリュウグウは、ポラナよりも太陽に近い軌道を回っています。そのため、太陽から放出される放射線である太陽風や、微小な宇宙のチリの衝突に長期間さらされ、表面の成分が少しずつ変化したと考えられています。

小惑星の表面に刻まれたこれらのわずかな違いを読み解くことが、小惑星たちがたどった壮大な旅路と、親小惑星の姿をより正確に理解するための鍵となります。

記者の視点:はやぶさ2がもたらした決定的な証拠

今回の発見は、日本の探査機「はやぶさ2」が成し遂げた歴史的な偉業なしには語れません。はやぶさ2が持ち帰ったリュウグウの貴重なサンプルが、この仮説を確固たるものにする決定的な証拠となりました。

JWSTによる遠隔観測データと、実際に手に取って分析できるサンプルの詳細なデータを組み合わせることで、初めてこれほど精度の高い結論が導き出されました。はやぶさ2が掲げた「小惑星の起源と太陽系の成り立ちを探る」という科学的目標が、見事に達成されたことを示しています。

この成功は、日本の科学技術力の高さを世界に示すだけでなく、多くの人々に宇宙への夢や探究心を喚起しました。日本の粘り強い探査と国際的な研究協力が結実し、私たちはまた一歩、宇宙の謎に近づくことができました。

探査の連携が解き明かす太陽系の物語

ベンヌリュウグウの起源に関する今回の発見は、太陽系初期の歴史を解き明かすための大きな前進です。この成果は、JWSTのような最先端の宇宙望遠鏡による遠隔観測と、「はやぶさ2」や「オシリス・レックス」のようなサンプルリターンミッション(探査機が天体の試料を地球に持ち帰る計画)の連携がいかに強力であるかを証明しました。

日本が持ち帰った小さな石のかけらが、世界最先端の観測データと結びつくことで、宇宙の壮大な物語が解き明かされつつあります。このような国際協力による探求は、私たちに科学の面白さと、地球や生命の起源について考えるきっかけを与えてくれるでしょう。小惑星たちが語る数十億年の物語に耳を澄ます旅は、まだ始まったばかりです。