ワカリタイムズ

🌍 海外ニュースを「わかりやすく」

はやぶさ2のリュウグウ探査:地球より古い鉱物が明かす「生命の起源」と太陽系の黎明

みなさんは、遠い宇宙からやってきた小惑星リュウグウ」をご存知ですか? この小惑星から、日本の探査機「はやぶさ2」が持ち帰ったサンプルの中に、なんと私たちの地球よりも古い鉱物が発見されたという驚きのニュースが飛び込んできました。

宇宙ニュースサイトSpace.comの「Scientists discover minerals in asteroid Ryugu that are older than Earth itself」によると、この発見は太陽系がどのようにして生まれたのか、その初期の姿を解き明かす貴重な手がかりになるかもしれません。この記事では、リュウグウに秘められた太陽系の謎に迫ります。

なぜリュウグウは「太陽系のタイムカプセル」なのか

今回リュウグウのサンプルから見つかった鉱物は、地球が誕生するよりも古い、約47億年前に形成されたものです。なぜ、そんな大昔の物質がそのまま残っていたのでしょうか。

その理由は、リュウグウが太陽系が生まれたばかりの頃の姿をほとんど変えずに保っている、いわば「タイムカプセル」のような存在だからです。

一方で、私たちが住む地球は、誕生以来その姿を大きく変え続けてきました。地球の表面はプレートと呼ばれる硬い岩盤で覆われており、それらがゆっくりと動くことで地形が変化する「プレートテクトニクス」という地質活動や、風雨による風化・侵食に常にさらされています。そのため、地球ができたばかりの頃の様子を知る手がかりは、ほとんど残っていません。

その点、リュウグウは宇宙空間で穏やかな環境にあり、地球のような激しい変化を経験していません。だからこそ、太陽系初期の貴重な情報を今に伝えてくれるのです。

サンプルが語る「太陽系の赤ちゃん時代」

はやぶさ2」が持ち帰ったリュウグウのサンプルを詳しく分析した結果、太陽系ができたばかりの頃の驚くべき情報が明らかになりました。

リュウグウの元となった天体は、約47億年前、内部に含まれる放射性元素原子核が不安定で、崩壊する際に熱を出す元素)の穏やかな熱によって、水や二酸化炭素といった氷が溶けました。この溶けた水が岩石に染み込み、さまざまな化学反応を引き起こしたと考えられています。

この過程で、地球では見られない珍しい鉱物や、多彩な物質が生成されました。サンプルからは、ドロマイトなどの炭酸塩鉱物、鉄を多く含むマグネタイト、銅の硫化物などが発見されています。さらに、私たちの歯や骨の成分でもある「ハイドロキシアプリタイト」のような、生命に関わる物質も見つかりました。

これらの発見は、太陽系初期に多様な化学反応が起きていたことを示す、何よりの証拠です。

生命の起源解明への期待と宇宙探査の未来

リュウグウのサンプルには、生命の誕生に必要不可欠な水や「有機」(炭素を骨格に持つ化合物の総称で、生命体を構成する主要な物質)が含まれていることも分かっています。こうした物質が、大昔の地球に小惑星によって運ばれてきたとすれば、「生命はどこから来たのか?」という壮大な謎を解く重要な手がかりになるかもしれません。

この探査は日本だけのものではありません。近年、アメリカ航空宇宙局NASA)の探査機「OSIRIS-REx」も、小惑星ベンヌ」からサンプルを持ち帰ることに成功しました。リュウグウベンヌ、二つの異なる小惑星のサンプルを比較研究することで、太陽系の中で生命の材料がどのように作られ、運ばれたのか、さらに理解が深まると期待されています。

リュウグウが教えてくれる、私たちの起源

はやぶさ2」が成し遂げたリュウグウからのサンプルリターンは、単なる科学的な成果にとどまりません。それは、日本の優れた宇宙探査技術と、人類の尽きることのない探求心の結晶です。

約47億年前という、想像を絶するほど古い時代の記憶が詰まった「タイムカプセル」を開くことは、私たちがどこから来て、この地球がどのようにして生まれたのかという、根源的な問いに答える旅でもあります。

この発見をきっかけに、夜空の向こうで起きた壮大な宇宙の歴史に、少しだけ思いを馳せてみてはいかがでしょうか。私たちの足元にある地球、そして生命そのものへの理解を深めるヒントが、そこには隠されているかもしれません。